母乳は赤ちゃんにとって、大切な栄養源。そしてお母さんの産後の回復や免疫を引き継ぐ役目等もあり、できる限り母乳で育てられることが推奨されています。
そして良い母乳づくりのためには、毎日のお母さんの食事と栄養バランスがとても重要です。妊娠期に続いて授乳期も、積極的に摂りたい食べ物・避けた方が良い食べ物を理解して、日々の食事を気を付けましょう。
良質な母乳のために摂りたい栄養素
母乳はお母さんの血液の成分から生成されます。
お母さんの口にした食べ物は胃や腸で消化吸収された後、ブドウ糖やアミノ酸などに分解され、血液となって全身に運ばれます。その血液が乳腺組織に取り込まれて、母乳が作られるのです。
そのため、お母さんのバランスの良い食事は良い母乳づくりの第一歩といえます。次に挙げた成分は特に、授乳期には重視したい栄養素です。普段の食事に積極的に取り入れるように、心がけましょう。
鉄分
牛肉の赤身肉やレバー、あさりやカツオ等に多く含まれる鉄分。血液を生成する大切な栄養成分ですので授乳中は特に大切です。ビタミンCと一緒に摂取すると体内への吸収が高まり効果的です。
カルシウム
母乳の生成に必須栄養素となります。母乳が良く出るお母さんでも、カルシウムの摂取が少ないと骨粗鬆症になる恐れもあるため、積極的な摂取を心がけましょう。
葉酸
妊娠前から必要な栄養素である葉酸は、血液を作る働きがあるため授乳期の女性にとっても重要な栄養素です。枝豆やブロッコリー、アスパラガス、春菊などに多く含まれています。 また、授乳中は水分補給を忘れずに。母乳の約9割が水分であり、お母さんの水分不足は母乳の量にも影響すると言われています。
授乳期に避けるべき食材は
お母さんが口にした食べ物は母乳に影響を与えます。アルコール類はもちろん、添加物や化学調味料などを多く含む食品は極力避けておいた方がよいでしょう。
また糖分の多いおやつ、脂っこい揚げ物などは母乳の出や味を悪くする可能性があります。こういった高カロリーの食品は、ついつい食べてしまうことあるとは思いますが、授乳中はできるかぎり控えるように心がけましょう。
食べ応えのあり栄養価の高い豆類、フルーツなどを上手に摂って、ストレスをためずに食事を楽しめるといいですね。
母乳が出ているかご心配の方は母乳外来も
赤ちゃんのためにもっと母乳の量を増やしたい、というお母さんも多くいらっしゃいます。母乳の出具合は、体質やホルモンの影響など受けると言われています。そのため、日々のバランスの良い食事と合わせて、ホルモンバランスを整えるリラックスした時間も大切になってきます。
また赤ちゃんの母乳の飲み方や搾乳などにも、母乳の出具合が関係することもあります。ご自分の母乳がきちんとでているか、赤ちゃんがちゃんと飲めているのか、ご心配な方は産婦人科の母乳外来で相談されても良いでしょう。