つわりの原因とは
つわりは妊婦の多くの方が体験します。その原因は妊娠によって引き起こされる、ホルモンや代謝の変化などが要因であると考えられています。妊娠によって黄体ホルモンのプロゲステロンが増加することで、体内にガスが溜まりやすくなり吐き気や不快感を生じさせるのです。またエストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)が嘔吐中枢を刺激することでつわりを引き起こすとも言われています。
その他にも、ビタミン不足による代謝や血糖値が変化や、心理的なストレスや疲労などがつわりの原因とも考えられています。ただ、つわりの明らかな原因ははっきりとは解明されていないことが現状です。
ピークの時期は8~10週頃
一般的には、妊娠5週目頃からつわりがはじまる妊婦さんが多いようです。ただ4週目からつわりの症状が現れる方や、6週目以降からつわりが始まる方、つわりをほとんど感じない方など個人差によるところが大きいです。
4〜5週目でつわりの症状が現れる場合は、つわりによって妊娠に気づくことも多いようです。
つわりのピークは妊娠8週~10週頃だとされています。この時期は、妊娠ホルモンであるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の分泌量がピークを迎え、つわりの症状も重くなります。妊娠15週頃には、つわり症状は次第に落ち着くケースが一般的です。体質によっては、つわりが長期間に渡ることがあるため、つわりの上手に付き合うことも大切です。
症状と対策方法をチェック
つわりの主な症状は、吐き気や嘔吐、食欲の低下、嗜好の変化などです。また慢性的な眠気やよだれが増えたりするケースもしばしば見られます。
胎児のためにしっかりと食べなければいけない、と無理して食べようとする妊婦の方もいらっしゃいますが、神経質になることはありません。無理せずに食べようとはせず、食べられるものを食べられる量だけ食べる形で心配ありません。つわりの症状を重くしないように心がけ、穏やかに過ごせるようにしましょう。
吐きづわり
「少量頻回の食事摂取」と「水分補給」 をおすすめします。
回に食べる量を減らして、1日の食事の回数を増やすと良いでしょう。温かいものや湯気、臭いで吐き気をもよおす場合も多いため、色々な食べ物を冷やしてから食べるのもおすすめです。
食べつわり
空腹を感じると気持ち悪くなってしまう症状を「食べつわり」といいます。気持ち悪さを軽減するために何かを口にすることは問題ありませんが、体重管理には気を付けなければいけません。対策としては、食べやすいものを少量に分けて食べるようにしましょう。体重コントロールが必要な場合には、カロリーを抑えた食品を選ぶように心がけましょう。
つわり軽減食材や栄養素
ヨーグルト
冷たくて適度な酸味があるヨーグルトは、つわりの時期でも食べやすくおすすめです。タンパク質やカルシウムといった栄養素も豊富で、乳酸菌も多く腸内環境の改善や便秘予防にも役立ちます。
しょうが
しょうがに含まれるジンゲロールやショウガオールなどの成分は、吐きけを抑える作用があります。生姜湯を作ったり、煮物や炒め物に入れてみたりと、色々な料理に加えてみると良いでしょう。生の生姜は妊娠中でも特に制限されておらず、通常の食事の範囲であれば問題ありません。欧米では、ショウガ粉末が症状の軽減に有効として広く推奨されているようです。
ビタミンB群(葉酸、ビタミンB1、ビタミンB6)の豊富な食材
葉酸、ビタミンB6は吐き気を軽減する働きがあります。またビタミンB1が不足するとだるさが増すおそれがあるため、つわりの時期はビタミンB群を意識して摂取しましょう。ビタミンB1不足を放置すると、ウェルニッケ脳症※という脳の病気を引き起こすことがあるため注意が必要です。
葉酸はほうれん草や小松菜などの葉物野菜、ビタミンB1は豚肉や豆腐、オクラなど、ビタミンB6かつお、鮭、鶏ささみ肉などに多く含まれます。ただしビタミンB1、Bは水に溶けやすいため汁物や蒸し料理がおすすめです。
※ウェルニッケ脳症 ウェルニッケ脳症はビタミンB1(チアミン)の不足により、脳の奥のほうの部位(脳幹部)に微小な出血が起こり、細かい眼の振るえ(眼振)が目の動きに制限が出る(眼球運動障害)、意識障害などの精神状態の変化、ふらつき(失調性歩行)といった様々な症状が急激に出現します。(厚生労働省 e-ヘルスネットより引用)
まずは体調を第一に考えて
食事が思うように食べられなかったり、食べたものをすぐ吐いてしまうとつわりの時期。お腹の赤ちゃんへの影響はないのか、心配になってしまう妊婦の方もいらっしゃwいます。しかし、妊娠初期は赤ちゃんもまだ小さいため、そんなに気にする必要はありません。
気持ちの悪さやイライラを紛らわせるように、リラックスして過ごすことが大切です。好きな趣味や仕事、他に集中できることを見つけることでつわりの辛さを忘れてしまうことも一つの方法です。自分の体調を一番に考えて、つわりを乗り越えてください。